酒木 保
(さかき たもつ)
宇部フロンティア大学人間社会学部福祉心理学科 教授
NPO法人メンタルヘルス研究所 理事長
発達障がい等相談センターそらいろ 臨床心理士
~公認心理師を目指されるみなさまへ~
解からないが故に解りたいという欲求が芽生えてきます。
その欲求を大切にしましょう。
【自己紹介】
私の師匠は、結城錦一先生です。結城先生は1922年に、実験心理学の領域の音響心理学に興味を持たれ、母音の研究が卒業論文です。「あ・い・う・え・お」のフーリエ解析を行い、母音間の作用を明らかにされております。その後の研究では、形態知覚に際しての眼球運動の役割を明らかにされました。いずれも世界で最初の研究です。その後、現象学的方法に転じ、晩年90代半ばまで実験研究を行っておられました。94歳の時には、カㇽル・シュトゥンプ著『音楽のはじめ』を訳されました。私は先生の最初で最後の弟子です。
私は、結城先生から学んだ研究方法を臨床心理学に導入してきました。その成果の一つである『自閉症の子どもたち――心は本当に閉ざされているのか』(PHP研究所/Amazon)をPHP新書から出版していただきました。それ以後、発達障害の改善を目指して直接子どもたちと出会い、今に至っております。彼らの行動特性を個性とみなし、共に生きることを模索しています。そこから、通常は思いつかなかったような力を彼らは発揮してくれます。この関係を大切にしていきながら、日々臨床に携わらせていただいております。
【職歴】
1973年4月~1985年2月 | 中京大学文学部心理学科 助手 |
1984年4月~1985年2月 | 中京大学教養部 兼任講師 |
「心理学」担当
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1985年3月~1998年3月 | 旭川医科大学保健管理センター 専任講師(医学部看護学科兼任講師) |
「臨床心理学」担当,保健管理センターの業務として学生の教育指導、心のケアを行う中で、必要に応じて心理療法を実施
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1985年4月~1998年3月 | 旭川市不登校児治療教育対策推進委員会 委員 |
旭川市教育委員会の事業で、不登校児の指導学級に直接関与し、指導学級適応の可能性などについて医師、教員、心理士が討議し、入級判定を行う協議会の委員を務める
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1985年4月~1998年3月 | 市立旭川病院 臨床心理士 |
診療に必要な心理検査および心理療法を実施
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1997年4月~1998年3月 | 「教師と治療者が登校拒否を考える会」主催 |
精神科医、小児科医、心理士、教員といった治療教育の関係者による不登校児についての研究会を主催
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1998年4月~2002年3月 | 京都文教大学人間学部臨床心理学科 助教授 |
「生命・医療臨床心理学演習Ⅰ・Ⅱ」「認知行動療法」「自律訓練法」「臨床観察実習」等を担当
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2001年8月 | 新任教員洋上研修 カウンセラー |
文部科学省主催の新任教員研修のカウンセラーを務める
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2002年4月~2003年3月 | 京都文教大学人間学部臨床心理学科 教授 |
「生命・医療臨床心理学演習Ⅰ・Ⅱ」「認知行動療法」「自律訓練法」「臨床観察実習」等を担当
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2004年4月~現在 | 宇部フロンティア大学人間社会学部臨床心理学科 教授 |
「臨床心理学」「心理査定演習」「知覚心理学」「神経心理学」「遊戯療法」等を担当
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2006年1月~現在 | NPO法人メンタルヘルス研究所 理事長 |
企業の従業員のメンタルヘルスに関して、医師、保健師と共に、面接や心理検査、職務適正の診断、復職プログラムの作成等を行っている
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2007年4月~2008年3月 | 美祢社会復帰促進センター(山口県美祢市) 臨床心理士/スーパーバイザー |
交通事犯の社会復帰プログラムの作成と実施(矯正教育)、センターに勤務する臨床心理士の指導育成を担う
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2018年3月~現在 | 発達障がい等相談センター「そらいろ」 臨床心理士 |
発達障がいのある人、およびその家族と支援者の心理に関する相談を受け、発達に応じた対応、支援方法の助言、研修等を行っている |